木造構造計算ソフトの歴史

木造構造計算ソフトの歴史

資料が少ない木造構造計算ソフトの歴史を集めています。情報がありましたら提供ください。許諾を得て移植しています。木造以外やCAD、地震などの情報も含まれる「木構造・地震の歴史」もお勧めしています。

1988年(昭和63年)

3階建て木造住宅の構造設計と防火設計の手引き(通称「青本」)発行

1987年に建築基準法改正により、準防火地域に木造3階建ての住宅が解禁されました。それにともない、上記の本が発行され、木造住宅を手計算で構造計算できる道筋ができました。しかし部材数が多い木造住宅では、その計算を手計算で行う事は非常に難しく、普及の妨げになっていました。この年、ホールダウン金物などがZ金物に加わり設計・施工ともモニュメント的な年となりました。

1992年に木造3階建て共同住宅が可能になりました。

1993年

・有限会社木造舎創業・KIZUKURI発売 同年、Ver2発売。KIZUKURI-1とKIZUKURI-2の二本立てとなった。企画・開発・著作はH.I.T.PRODUCTIONとある。

・この年、「3階建て混構造住宅の構造設計の手引き」が発行される。

中大規模木造建築物の構造設計の手引き 改訂版
中大規模木造建築物の構造設計の手引き 改訂版

1994年

・KIZUKURI-1、KIZUKURI-2のVer3発売。KIZ-SUB追加により基礎の計算が出来るようになった
・KIZUKURI Ver3発売(1と2が統合され、ルート2追加される)
・KIZUKURI Ver3.1発売。大阪府、静岡県の要望を取り入れる。長期たわみも考慮できるようになる。

1995年

・KIZUKURI Ver4.0発売
可変グリッド機能、偏心率計算機能、片持ち梁追加、固定荷重設定等機能強化

1996年

・KIZUKURI 95新発売(従来のWindows3.1番とは別物として開発され、バージョンアップ製品ではないと明記)
通り芯が35までアップ。Windows95対応。

2001年(グレー本発売年)

富士通

・STRDESIGN 構造自動設計ソフト・3次元可視化ソフト新発売。CADデータ連係と低価格が魅力
・STRPRIME(壁量計算ソフト)新発売
・EFFPRIME(住宅性能評価計算ソフト)新発売

構造システム

・HOUSE-ST1 Ver1新発売(木造構造計算 定価25万円)住宅性能評価、木造3階建ての構造計算ソフトで、対話形式で伏図を建物形状に入力、架構図を同時に表示してデータが確認できるのは画期的だった。上部から基礎構造まで断面計算ができるなど、先行ソフトに比べて魅力的な設計でした。

「木造軸組工法住宅の許容応力度設計(旧グレー本)」発行により、新ソフトが出始める。しかしグレー本の方法では設計不能だったり、難易度が高かったため、あまり普及しなかった。

2002年

・STRDESIGN V10新発売(なぜ10??)詳細計算法

・HOUSE-ST1 Ver2

2004年

・STRDESIGN V11新発売 壁量計算単独出力、パラペット荷重対応、簡易軸組図立面図出力
構造自動設計オプション発売

2005年

2×4壁式(ツーバイフォー構造計算ソフト)発売

木造・S造・RC造 ディテール集 最新版
●内容紹介 木造、S造、RC造の基本的なディテールの数々を、3構造並列で掲載したディテール入門の決定版。 各構造における工事で頻繁に遭遇する基本的な納まりから、専門業者しか知りえないような応用テクニックまで幅広く網羅。 ●目次 ・外壁のディ...

2006年

・STRDESIGN 12新発売

2007年

・KIZUKURI Ver5発売

・HOUSE-ST1 Ver3.5発売

・Super Build/イシロー 木造建築物電算プログラム認定制度対応の木造電算認定ライセンススタート 偽装対策

2008年(グレー本2008対応年)

・HOUSE-ST1 Ve4新発売

グレー本が改訂となり、実用的になる。耐震偽装事件によるコンプライアンス強化も手伝って、その対応ソフトが普及した。事実上、青本による計算が終了となる。

2009年

・KIZUKURI Ver6発売

楽しく分かる! 木構造入門 改訂版
楽しく分かる! 木構造入門 改訂版

2010年

・構造EX発売

2011年

・HOUSE-ST1 Ver5発売

2012年

・WDWarp新発売(低価格木造構造計算ソフト)

2014年

・HOUSE-ST1 Ver6発売

・木三郎4(初の木造4階建て構造計算ソフト)発売

2016年

・KIZUKURI 木造舎からコンピュータシステム研究所に移管

・2×4壁式3 発売

設計実務に使える 木造住宅の許容応力度計算
設計実務に使える 木造住宅の許容応力度計算

2017年

・木造軸組工法住宅の許容応力度設計 2017年版 発行

・KIZUKURI Ver7.6発売

・HOUSE-ST1 Ver7.5発売

令46条2項ルート(壁量計算外)の構造計算ブーム始まる

・WOOD-ST発売(壁量計算外)

・SEIN La CREA Premium木造発売(壁量計算外)

2018年

MOKUZO.Designer発売

CLT2016(CLTの一般販売の構造計算ソフト)発売

2020年

・HOUSE-ST1 Ver8発売

・KIZUKURI Ver8発売

2021年

・ユニオンシステム SS7のオプション『Super Build®/SS7 Op.木造ラーメン』発売

2023年

・木三郎6発売(初の木造6階建て+PHの構造計算ソフト)

2024年

・KIZUKURI Ver9発売(ユーザーインターフェイスの大幅刷新)

・木造構造計算ソフト開発・販売の東京デンコーが廃業。木造部分は新会社へ(10/31)